これは実際にあった物語です。
ある日の午後、1人の少女が骨董品屋の前に立ってウインドウから覗き込んでいました。そして意を決したようにドアを開けて中へ入って行くと、きれいな青いビーズを結んだネックレスをつかんで、カウンターにいる店主のところへ持って行って言いました。「これなら絶対に気に入ってもらえること間違いなし!おじさん、これをきれいに包んでね。お姉ちゃんへのクリスマスプレゼントなの。お姉ちゃんは去年ママが死んじゃってからずぅっとアタシの面倒を看てくれていて、とっても感謝しているの。だから今年のクリスマスには絶対にステキなプレゼントをするって決めていて、ずっと探してたの。でもこれに決めた!」
「お嬢ちゃんはいくら持ってるのかな?」店主は女の子に尋ねました。彼女はポケットから何枚かのコインを取り出してカウンターに置くと言いました。「アタシが持ってるお金、ぜぇんぶ持って来ちゃった。」 店主は女の子には見えないようにネックレスの値段を確かめると、女の子を見つめて「お嬢ちゃん、お名前は?」と尋ねながら、奥の部屋へと向かいました。女の子は大きな声で、「ジーン・グレイスよ!」と答えました。店主はきれいな包装紙に包まれたネックレスを女の子に手渡しました。女の子は礼儀正しくお礼を言うと、とても嬉しそうに帰って行きました。
クリスマス・イブの晩、最後の客を見送った店主が店じまいの支度をしていると、1人の若い女性が息を切らしながらやって来て、見覚えのある包装紙に包まれた品物を彼に手渡して言いました。「この品物を売った相手を覚えていらっしゃるでしょうか?」 「ええ、覚えてますとも。ジーン・グレイスという可愛い女の子でしたよ。なんでも大切なお姉さんへのプレゼントだとか…」女性は恐る恐る「これって、本当はおいくらする品なのですか?」 店主は「いやぁ、こういった品物の値段は、売り手と買い手との間の秘密なんですよ。」と答えました。女性はもう1度尋ねました。「でも、私の幼い妹が一体どうやってこんな高価な品を購入できたと言うんです?」 店主は開きかけた包装紙をもう1度丁寧に包み直してその女性に手渡しながらこう言いました。「あなたの妹さんは、他の誰も支払えないほどのとても高価な代金を払って買ってくださったんですよ。彼女の持っていたすべてを支払ってくださったんですから。」
神は最高の代価である「ひとり子のいのち」を支払って、私たちを買い取ってくださいました。それがクリスマスの物語なのです。言葉に表せないほどのこの高価な贈り物のゆえに、神に心からの感謝をささげましょう。
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