聖書
(505) “できる限り、全ての人と平和を保ちなさい。”
『人間関係』というものは、生きている限り避けられないトピックであり、またしばしば私たちの頭を悩ませる課題でもあります。時々「人間関係をこじらせないためには、自分の信念を曲げたり、妥協したりすることは避けられない」という言葉を聞きますが、本当にそうでしょうか? 英語に「Win-winな解決」という表現があります。どちらかが妥協する代わりに、どちらにとっても益(勝利)となるような第3の案によって解決することです。何かを交渉したり、和解を試みたりする時、ついつい自己中心的になって自分が損をしないことばかり考えてしまったり、相手のあら捜しをしようとしたりしてしまいがちですが、そのような態度で交渉の場に臨むと、物事を多角的に見ることができず、せっかく神様が与えようとしている『最善の道』を見失ってしまいます。この「Win-winな解決」に至るためにはまず自らを「第3者」の立場に置いて状況を客観的に眺め、双方が抱えている課題や真の必要を見極める必要があります。 ここで難しいのが、それらを判別するには「自分自身のプライドを捨てること」や「自分の都合で決めたタイムリミットを変更すること」などがしばしば要求されることです。『予定変更』や『信念を曲げること』を好む人はあまりいません。しかしそれが「自分だけにとっての益」ではなく、「他の人と共に勝利感を共有する」という結果を生むなら、それは『価値ある犠牲』と呼ぶことができるのではないでしょうか?