(192) “信者となったものたちはみないっしょにいて、いっさいのものを共有にしていた。”

『幸福の条件』とは何でしょう?ある人々は「もう少しお金があったらもっと幸せになれるのに…」と言います。本当にそうでしょうか? 『幸福感』に関する研究を重ねたある調査結果によると、より幸福感を経験しているグループと経験していないグループを分ける決定的な要因は「経済力」でもなく「健康」でもなく「安定した生活」でもなく「魅力的な容姿」でもなく「知能指数」や「経歴」でもないそうです。 では一体何なのでしょうか?それは、豊かで親密な『人間関係』です。自分が何らかのコミュニティに属しているという意識、「存在を認められている・必要とされている」と実感できることは何よりも私たちに充足感と幸福感を与えてくれます。 イエス・キリストが天に帰られた後、地上に残された弟子たちによって「キリスト教会の営み」がスタートしました。迫害下にあった彼らが周囲に押しつぶされてしまうことなく、かえって次々と信者を獲得し大きく成長して行った大きな要因として、彼らを通して行われた「奇跡的なみわざ」が挙げられますが、それとともに忘れてはならないのは、彼らの間にあった『親密な交わり』です。それぞれが持てる時間・財産・労力を分かち合い、互いを支え合う中で生まれる一体感、これこそ神によって造られた私たちが真の『幸福感』を味わうための秘訣なのでしょう。 高度経済成長を遂げ「万民中流意識」にすっかり甘んじてしまっている日本人。誰もが自分の必要(以上?)を満たすことに夢中になり、もはや他の人の助けをほとんど必要なく感じている今日。そのようなよどんだ空気の中に一石を投じるのは、きっと「親密な関係の中に幸福感を見出そう」として行動を起こす人々ではないでしょうか?