聖書
(194) “イエスは彼に「あなたは何という名か?」とお尋ねになった。”
「自分で自分のことをどんな人間だと思っているか」ということは、私たちの日々の歩みに大きな影響を与えます。たまに「実際以上に自分のことを偉大な人物」と思っている『誇大妄想』的な人もいますが、多くの場合私たちは実際よりも自分のことを低く見積もってしまいがちです。 イエス・キリストの代表的な弟子の1人で『ペテロ』という人物がいますが、彼は初め『シモン』と名乗っていました。それが親の付けた名前なのか、それとも人々から呼ばれていたあだ名なのかは定かではありませんが、はっきりしていることは『シモン』という名は「風に揺れ動く『葦』の葉」のことであり、このシモンに向かってある日イエスは、「あなたの名はもはや『シモン』ではない。今日から私はあなたを『ペテロ(岩)』と呼ぶことにする。」とおっしゃったのです。これはすなわち「あなたは今まで人生の目標の定まらない『葦の葉(シモン)』のように生きてきたかもしれないが、これからは私と共に生きることによって『岩(ペテロ)』のように、多少の試練や逆境には動じない者と変えられていくのだ」という、イエスのペテロに対するメッセージだったのでしょう。 私たちが「自分のことをどんな人間だと思っているか」は、生まれてから思春期に至るまでの成長過程で「周囲の人々からどのような評価を受けてきたか」に大きな影響を受けています。もちろん良い家庭環境に育った方であればそれなりの良い評価を受け、ある程度健康な『セルフイメージ』を抱いておられることでしょうが、私たち1人1人の真に正しい評価を下すことのできるお方は、私たちを絶対的な愛をもって形造ってくださった『創造主なる神』だけです。だからこそ聖書を読むことによって、この神様があなたに対して抱いておられる『正しい自己像』を知り、それをあなたの人生の土台として生きることが重要なのです。