聖書
(96) “彼らが自分たちの間で自分を量ったり、比較したりしているのは、知恵のないことなのです。”
「井の中の蛙大海を知らず」という日本の古いことわざがあります。「井戸の中に住んでいるカエルは、大海の存在も知らずに、自分の存在に得意になっている」というような否定的な意味で使われます。確かに「もっと広い世界があることも知らないで、ちっぽけな(自分だけの)世界だけを知って王様気取りしている」のは良くありませんが、広い世界を知ったために自分の小ささにガッカリし、萎縮してしまって大胆になれないのもどうかと思います。 ひと昔前に「世界に1つだけの花」という歌が流行りました。「ナンバー1になれなくてもいい…、もともと特別なオンリー1」というような歌詞だったと思います。いろいろな分野で「1番になること」を追求することは悪いことではありません。向上心を持ち、日々努力を重ね、更に高いレベルを目指す。すべての人はそうあるべきだと思います。ただこの「1番になること」または「何かができるようになること」が自分自身の価値を決めることのように錯覚してしまうのは危険です。「失敗すること」が『失敗者になること』とは違うように、「より多くのことができること」や「より多くの物を持っていること」と、「より優れた人物であること」とは全く別のことです。『持ち物』や『能力』に自分の価値を置いているなら、火事などですべてを失った時、また病気や事故で体の自由を失った時に、生きる希望まで失ってしまうことでしょう。 私たちの『自信』をいうものは、「何かが人よりも優れている」ということに根拠を置くのではなく、「自分はいったい何者なのか」ということに根差すべきです。聖書は「あなたは天地万物の創造者である神によって造られた最高傑作である」と述べています。この造り主は不動・不変であり、それによって与えられたこの価値観も永遠に揺らぐことはありません。まさにあなたは「もともと特別なオンリー1」であり、「『神のかたち』を宿した、神に愛されている者」なのです。 さあ、もう周囲を見回して自分と他の人とを比べるのは止めにして、上を見上げながら「神様に造られたユニークな作品としての自分」 に磨きをかけていきましょう!