聖書
(76) “陰口をたたく者は、親しい友を離れさせる。”
哲人ソクラテスとある男の会話が記録に残っています。その男がある人のウワサ話をしようとしたところ、ソクラテスが彼に尋ねました。「キミはその話が本当かどうか確かめたかね?また、それは人を感動させるような、ためになる話しかね?」 男は答えました。「いや、そうでもないけど…」 ソクラテスは言いました。「そうか。本当かどうかも分からず、人を感動もさせず、ためにもならぬ話しなら、あまり聞く価値はないな。」 「うわさ話や陰口を交わす間柄」というのは、いかにも親密なように思えますが、実際は第3者をこき下ろすことによって互いに優越感を共有しようとする、とっても不健康な関係です。あなたと陰口を共有することを楽しんでくれるような人は、どこかで必ず他の人と「あなたに関する陰口を共有すること」を楽しんでいるに違いありません。 誰かの情報を他の人に伝えようとするときに、「陰口を楽しむワナ」に陥らないために、次のような点をチェックしてみて下さい。 ①なぜその人に伝えようとしているのか? その人なら問題解決の助けになってくれそうだからか?それとも単に「誰かに伝えたい」という欲求からなのか。 ②その情報は「他の人にも伝えて良い」という許可を得たものなのか?それとも「秘密を漏らす」ことになるのか?そのことを伝えないと「誰かのいのちが危険にさらされる」ことにでもなるのだろうか?もし本当にそうなら「その情報はあなたから漏れたのだ」と知られても、何も問題はないはずですよね? そして最後に、③もしあなたがその人と同じ境遇にいたとしたら、あなたは自分のその情報を他の人にも知らせて欲しいと思うか?それとも打ち明けた相手の心の中に、そっとしまっておいて欲しいのか? 良い人間関係を築く秘訣の1つは、人のうわさ話を「しない・聞かない」と心に決めておくことです。